むし歯をくりかえさないために

むし歯の治療をしたところがまたむし歯になってしまった、という経験はありませんか？
このように、一度むし歯治療をしたところにむし歯が再発することを「二次う蝕」もしくは「二次カリエス」と言いますが、これは決して珍しいことではありません。

むし歯が再発する場合、さらに深い部分にむし歯が進行してしまうため、神経がダメになってしまったり、歯そのものがダメになってしまったりすることもあります。

当院では、そのような「再発を繰り返さないような」むし歯治療に力を入れています。

二次う蝕(にじうしょく)とは

二次う蝕とは、一度むし歯治療をした部分にむし歯が再発することを言います。大人になってからできるむし歯の多くは、この二次う蝕であり、これを繰り返すことで将来的に歯を失うことにつながっていきます。

そのため、むし歯の治療をする際には、ただ削って詰めるというのではなく、いかに二次う蝕を防げるか、ということにも注意していかなければなりません。

むし歯の再発「二次う蝕」はどうして起こる？

むし歯を取り除いた後、ピッタリに詰め物や被せ物をしているはずなのに、どうして二次う蝕が起こってしまうのでしょうか？その理由について見てみましょう。

二次う蝕の原因

材料の劣化
詰め物や被せ物に使用する材料は、プラスチックや金属、セラミックなど様々ですが、プラスチックや金属に関しては、年数が経つにつれて劣化し、歯との間に隙間ができてしまいます。その隙間から細菌が入り込み、むし歯が再発する原因となります。

セメントの劣化
歯と人工物をくっつけるための「セメント」も、年数が経つにつれて劣化し、唾液に溶け出すなどして徐々に歯との間に隙間を作り、そこからむし歯になることがあります。

お口のケア不足
むし歯は、お口の細菌の状態によってできやすさが変わってきます。つまり、お口のケアが不十分だと、むし歯が再発するリスクは高くなります。もし、治療前と同様のお手入れをし続けていると、同じ部分からむし歯になる可能性は高いと言えます。

材料のプラークのつきやすさ
プラスチックや金属は、表面に傷がつきやすいため、歯垢（プラーク）を寄せ付けやすく、その結果、むし歯のリスクが高くなる傾向があります。一方、セラミックは傷がつきにくいので歯垢を寄せ付けにくく、むし歯のリスクは低くなります。

治療の精密さ

むし歯をしっかりと取りきっているか、詰め物や被せ物が精密に仕上がっているか、というのも、むし歯の再発しやすさに大きく関係しています。

もし、むし歯がきちんと取りきれずに内部に残っていたり、詰め物や被せ物がピッタリとあっていなかったりすれば、当然むし歯は再発しやすくなります。

このように、一度治療して詰めたり被せたりしたところというのは、まっさらなむし歯のない状態と比べて、むし歯のリスクが高くなるのです。そのため、それをしっかりと理解した上で対策していかなければなりません。

むし歯を繰り返さないためにできること

一度治療したところは、再発のリスクというのがどうしてもつきまといますが、対策次第ではむし歯を再発させないことも可能です。どのような対策法があるかをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

歯のケアを念入りに

むし歯の再発を起こさないためには、当然ながら歯磨きはしっかりと、隅々まで行う必要があります。歯ブラシだけでは歯間部など、細かい部分の汚れは取れないので、デンタルフロスや歯間ブラシも合わせて使ってみましょう。きちんと磨けているかわからない、という方は、一度歯科医院でブラッシング指導を受けておくことをオススメします。