歯周病の予防

歯周病は、成人の８割がかかっている病気だと言われているので、「歳をとったらかかってしまう加齢による病気」、などと思われがちですが、実は生活習慣病の側面が大きく、心がけ、ケア方法により予防することが十分に可能な病気です。

歯周病で失われた組織は元に戻りません

歯周病は、かかってしまってからでも治療によって進行を止めることが可能ではありますが一度歯周病によって失われてしまった骨というのは、自然に戻ることはありませんので、なるべく歯周病を「起こさない」ということが重要です。
歯周組織再生療法で失われた組織をある程度回復できるケースもありますが、全てのケースにおいて有効なわけではありません。
そのため、歯を長く残していくためには、健康な歯周組織の状態をできるだけ維持していくことを実践していく必要があります。

歯周病を予防するメリット

1.歯を長持ちさせられる

歯周病は歯を失う原因の第一位を占めています。歯周病予防をすることで歯の周囲組織が健康な状態を保てますので、歯をしっかりと支え、長持ちさせることができます。

2.口臭を防げる

歯周病の厄介な症状として「強い口臭」があります。歯周病の口臭は周囲の人を不快にしてしまうことも多く、対人関係にも影響を及ぼすものです。歯周病を予防することで不快な口臭も予防できます。

3.歯のトラブルに悩まされない

歯周病が進行するにつれ、知覚過敏や歯茎の腫れや痛み、歯茎から膿が出る、歯のぐらつきといったトラブルが起こってきます。そのようなトラブルも予防をすることで防ぐことができ、快適な毎日を過ごすことができます。

4.体の病気を防ぎ、健康的になれる

歯周病によって全身の様々な病気のリスクが高まることがわかっています。歯周病を予防しておけば、そのような病気のリスクを高めることもありません。

歯周病と全身疾患の関わり

5.医療費を低く抑えられる

歯周病によって歯を失い、歯を補う治療にかかる医療費、また、歯周病によって引き起こされた全身疾患にかかる治療費がかかりませんので、必然的に医療費を抑えられます。

歯周病を予防する方法

歯周病予防には、ホームケアとプロケアの両方が必要です

歯周病は歯磨きをしっかりしていれば予防できるかというと、それだけでは難しいのが実際のところです。その理由として、「歯磨きだけでは汚れを完全に落とすのが難しい」ということと、「食習慣や生活習慣が発症や悪化に関わっている」ということが挙げられます。
そのため、歯周病の予防のためには、単に歯磨きだけではないホームケア、そしてプロのケアの両面からの対策が必要になってきます。

ホームケア（ご家庭でのケア）

家庭でのセルフケアというのは、歯ブラシを使ったお口のケアだけでなく、健康的な生活習慣や食生活を送ることも含みます。というのも、お口の環境というのは、生活習慣や食習慣によって大きく左右されるからです。
毎日の丁寧な歯磨きに加え、糖質を摂りすぎない食生活をする、歯周病のリスクを高めるタバコや糖尿病に注意する、といったことにも気を使っていきましょう。

プロケア（歯科医院でのケア）

歯医者でのプロケアでは、定期的にお口の健康状態のチェック、蓄積したプラークや歯石除去などを徹底的に行います。また、患者様お一人お一人のお口の状態に合わせたブラッシングの仕方、食事指導、日常生活での注意点などについてもアドバイスを行なっていきます。

歯周病予防のためには継続的なメンテナンスも大事です

歯周病にかからない、もしくは悪化させないためには、定期的なメンテナンスを継続することが必要になってきます。歯垢や歯石はどうしても溜まってきてしまうので、治療した後放置していては、また再発する可能性が高いからです。
定期的なケアを行うことで、健康的な歯茎の状態が保たれやすくなりますので、歯のトラブルを未然に防いで快適な毎日を過ごすことができ、それが生活の質（クオリティオブライフ）を高めることにもつながっていくことでしょう。